相続登記の義務化は所有者不明土地をなくすため

相続登記が義務化されるまでの歴史的背景

相続登記が義務化される背景には不動産取引の円滑化や相続による紛争の解消、そして税制上の必要性などが挙げられます。日本においては相続に関する法制度が明治期に制定されましたが、当初は相続人が自発的に登記を行うことが推奨されていました。しかし相続人が登記を行わなかった場合、相続財産が所有者名義人のまま残ってしまいます。このようなことで、取引の際には不便が生じることがありました。

その後不動産取引の活性化や相続による紛争の解消を目的に、相続登記が自発的に行われることを前提に相続登記制度が整備されます。ところが実際には登記が行われることは少なく、相続による不動産紛争が多発することが問題となっていました。このような状況から、相続登記が義務化される必要性が高まったのです。具体的にはまず、相続財産の所有者が明確になることで、取引が円滑化されます。

そして相続による紛争の解消、また相続税の徴税に必要な情報が得られるようになるはずです。こうした背景から登記が義務化されることとなり、2017年には相続登記制度が改正されることになったのです。そして2021年1月1日からは相続財産が不動産である場合には、登記の申請が義務化されることとなりました。不動産という高額なものの登記の申請が、近年に至るまで義務化されていなかったことに驚く人も多いでしょう。

法が時代に合わせて改正されるのは当然ですが、そのスピードも今は求められています。

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